第4回 平田 木綿街道
神の国・出雲のもう一つの顔「海運商都の歴史」
老舗の藏巡りでお江戸気分へとタイムトリップ
江戸後期、木綿の集散地として栄えた雲州平田。
特に「木綿街道」と呼ばれる平田船川沿いの区域は、川港の荷揚げ場として出雲格子と呼ばれる格子窓が連なり、数多く残る塗壁造りの建物が当時の面影を伝えています。
街道沿いには、3軒の醤油蔵、島根屈指の銘酒を生む酒蔵2軒に、縁結びのアイテムとしても人気を集める生姜糖の老舗、呉服店など、地の味、名産を伝える施設がズラリ。
最近では街道の各店が協力し、施設内の見学に加え、ご当地グルメの開発、木綿グッズの販売、遊覧船の運航など楽しい下町歩きを全面的にサポート。
城下町・松江の繁栄を支えた商都としての街並みを今に・・・
江戸の風情へとタイムトリップした感覚で、ぶらりレトロ街道の散策をお楽しみください。
江戸中期から明治にかけて木綿の取引が盛んだったことから、街並み保存に取り組む市民が命名。
平田は出雲平野産の綿花の集散地で、木綿市での幕末の取引量は年22万反で、松江藩が藩外に売った木綿の約4割。平田船川を通じて大阪などへ運ばれました。質が高いと評判で、豪商の三井も買い付け人を派遣したと言われています。
市街地北部の東西約300m、東端から北へ約200mの通りが「木綿街道」。
当時の面影を残す建物が十数軒立ち並び、また間口が狭く、防火のために塗り壁を使った「切妻妻入塗壁(きり・づま・つま・いり・ぬり・かべ)造り」の家屋が往時を偲ばせてくれます。
なるほど・ザ・木綿街道
話題ニュースを総ざらえ
Topics.1
老舗の醤油蔵 アイス対決勃発!
木綿街道内にある2つの醤油蔵で甘〜いスイーツ戦争勃発。
「持田醤油店」では、先陣を切って数年前より「醤油ソフトクリーム(200円)」を販売。羽衣さしみ醤油を使用し、カラメル風味の素朴な甘さを演出。
方や、2007年1月中旬に発売されたばかり、マスコミ初登場となる「岡茂一郎商店」は「醤油アイス(250円)」で勝負。
再仕込み醤油のコクとうま味を生かしたクリーミーな口どけで、あっさりの後口が自慢のカップアイス。
いずれも懐かしい甘さの和風仕立て。ぜひ食べ比べを。
ただし、「持田醤油店」の醤油ソフトクリームは、12月中旬〜3月中旬までお休み。対決は、3月中旬までひとまずはお預けってことで・・・
Topics.2
小舟にて下町散策 遊覧船が就航
かつて昭和30年代まで、水田作業などの往来に旧平田船川を行き交った木造の「平田舟」。
その「平田舟」が昨年、旧平田船川を航行する観光用として復活。「ひらた中高年者まちづくり企業組合」の企画のもと、サワラ材を使い、全長7.5m、幅1.4mの舟一隻を完成させたのです。
小舟に揺られた街道見物。要予約、片道大人300円、中学生以下200円にて受付中です。
Topics.3
地元では常識 お膝元・松尾神社は日本酒発祥の地
昔、神々が佐香の川に囲まれた地域に酒を醸す舎屋を建てて酒造りをされました。
この「佐香(さか)」が「酒」の古名に該当するところから、この地が日本酒発祥の場所と推察されているのは地元では有名なお話し。その酒造りの神「久斯之神(くすのかみ)」が祀られるのが、ココ車で約5分の場所にある平田市小境町の松尾神社(佐香神社)。
出雲国風土記にも記され、古くから酒の神様として信仰を集めてきたのです。
■木綿街道 各スポット詳細情報