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あなたならどっち? 宍道湖VS中海 七珍MAP

湖としてそれぞれ全国5位、7位という広さを誇る「中海」と「宍道湖」。今回は改めて各“七珍”をMAPにまとめ、各魚を詳しく解説。また七珍を味わえる飲食店までも誌面内にて紹介するなど、七珍の魅力を再発見。

宍道湖VS中海七珍マップ拡大拡大

湖としてそれぞれ全国5位、7位という広さを誇る「中海」と「宍道湖」
そんな2つの湖が連なるこの圏域は、まさに偉大なる水の都。
淡水と海水が混ざりあう汽水湖のため、とにかく魚種が豊富で、それぞれの湖では、ふだんなかなかお目にかかれない魚を水揚げ。趣向を凝らした郷土料理として周辺の飲食店にて振舞われています。

ではみなさん、宍道湖、中海に、それぞれその中で厳選された7つの素材を「七珍」として選定されているのをご存知ですか?
「宍道湖七珍」はあまりにも有名ですが、実は2006年、中海でも36種類の中から七珍を選定。そして2007年春に、「宍道湖vs中海 料理対決」を行なうなど、今ではよきライバル?としてその味、PRで互いにしのぎを削っています。

今回は改めて各“七珍”をMAPにまとめ、各魚を詳しく解説。また七珍を味わえる飲食店までも誌面内にて紹介するなど、七珍の魅力を再発見。
ぜひMAP片手に山陰へとお出かけくださいませ。

宍道湖七珍はコレだ
スズキ
 カット 旬:晩秋から冬
夏の「あらい」も有名だが、水温が下がる晩秋から初冬にかけてが脂ノリもよく一番の旬。松江藩七代藩主、茶文化を広めた不昧公が好んだされる「スズキの奉書焼き」は、一匹丸ごとを奉書紙に包んで蒸し焼きにすることで、そのうま味をしっかり封印。「国譲り神話で国譲りの和議が成立した際の酒宴の席に振舞われた」と古くは「古事記」にも紹介されています。

モロゲエビ
 カット 旬:秋
中海では「ホンジョウエビ」とも呼ばれるクルマエビの一種で、体長は10cmほど。くせのない上品な味わいで、背ワタが少なく殻が薄いため、バリバリと丸ごと食べることができます。
ウナギ
 カット 旬:夏
天然では高知県四万十川、養殖では静岡県浜名湖が有名ですが、宍道湖では江戸時代に関西方面へ活魚を出荷するほど天然うなぎの産地として有名でした。ただ近年漁獲量が激減、今では幻の味とも。身がしまりしっかりとした歯ごたえが特徴だけに蒲焼きが最適で、焼き方は関西風、腹開きにして蒸さずに焼き上げる「地焼き」。実はこの焼き方、出雲から上方(大阪)に伝わり、その後全国的に広まったとされています。

ちょっとコラム
「ウナギの蒲焼き」は関東と関西で大きく異なります。それは開き方から違い、関東は「背開き」、関西は「腹開き」。これは、武家社会の江戸では「腹を裂くと切腹を連想して縁起が悪い」と背中から開き、商人の町大阪では「腹を割って話せるように」と腹開きにしたからだとも。また関西は蒸さずに直焼き、関東は一度蒸してから焼き上げるスタイルが一般的です。

アマサギ
 カット 旬:冬〜早春(1〜3月)
一般的には「ワカサギ」。北日本、朝鮮半島からベーリング海にかけて分布する魚で、宍道湖はその南限。1月から3月にかけての産卵期、子持ちの頃が旬で、特につけ焼きが美味。また南蛮漬け、天ぷらにしておいしいいただけます。あっさりした味で幅広い層に支持が高い。

シラウオ
 カット 旬:11月中旬〜1月
11月中旬〜1月、シラウオ漁が解禁になるこの時期が旬。江戸時代に、松江の馬潟沖が名産地で、昭和のはじめには東京や大阪の一流料亭から「松江のシラウオは日本一」の評価を得たほど。生でもうまいが、天ぷらや卵とじなど火を通すとさらに甘みやうま味がUP。

コイ
 カット 旬:秋〜冬
水温が下がる秋から冬においしいとされるコイ。地元では、細く切り、塩ゆでした腹子(卵巣)と和えて煎り酒というタレで食す「鯉の糸造り」が代表的な郷土料理。その味は、鎌倉時代から明治時代にかけて、天皇や将軍が召し上がる「御前科理」にはコイと限られるほど。コイ独特の臭みも、泥よりも砂が多い宍道湖ではほとんど感じられないそう。

シジミ
 カット 旬:春
宍道湖七珍でも一番メジャーなコチラ。粒が大きく身はプリプリと肉厚で、漁獲高は全国一。塩分の薄い汽水域に棲むヤマトシジミが主で、大粒貝は湖北、小粒貝は南岸で水揚げされる。シジミ汁にすればその成分がダシに染み出し極上のうまみに。市内の酒場では、シメにシジミ汁が出されるほど、肝機能を助ける特効薬として重宝されています。


宍道湖七珍が味わえる店
てれすこ
所在地:島根県松江市伊勢宮町528 TEL:0852-24-2288

五歩屋
所在地:島根県松江市中原町153 TEL:0852-24-4035

味処にしき
所在地:島根県松江市東本町1-34 TEL:0852-26-3903

川京
所在地:島根県松江市末次本町65 TEL:0852-22-1312

懐石おもい川
所在地:島根県松江市東本町1-5 松江くらぶ2F〜4F TEL:0852-21-2941

魚一
所在地:島根県松江市片原町78 TEL:0852-22-2935

やまいち
所在地:島根県松江市東本町4-1 TEL:0852-23-0223

割烹だいこく
所在地:島根県松江市片原町110 TEL:0852-27-7233

中海七珍はこれだ
アオデ

カット旬:夏〜秋(7月〜10月)
幅は15cmを超える大型のカニで、一般的には「ワタリガニ」の名前で有名。生の状態が青いことから地元ではこう呼ばれています。波が穏やかな内湾の、水深30mほどまでの砂泥底に生息し、その味は濃厚。ダシに使うと抜群のうま味を出すことから、今や公共品として取り扱われています。
マーカレ

カット旬:夏〜秋(8月〜11月)
ニシン科に分類。汽水域に生息する魚で、岡山県名産でもあるママカリという別名でもおなじみで、一般的な名称は「サッパ」。全長20cmほどで、体は木の葉のように左右に平たいのが特徴で、塩焼きや唐揚げ、酢漬けなどが地元での代表的な食べ方。。「サッパ」の名前は淡白で“さっぱり”している味に由来するそうです。

アカバイ

カット旬:夏(5月〜8月)
マキガイの一種で、地元でもかなり珍重される貝。その身はシャリッ、コリッと心地よい弾力と噛むほどに増す甘みが美味。鮮度に優れた刺身でいただけるのがココ山陰ならではの特権です。
ゴズ

カット旬:秋〜冬(11月〜1月)
全国各地に生息するハゼの代表格で、いわゆるマハゼのこと。山陰では、この名の愛称で親しまれていますが、鳥取の一部地域では「カマゴツ」とも呼ばれています。全長は15cmほどで、体は細長い円筒形。背びれと尾びれに並ぶ黒い点が特徴で、身は上品な白身。中海産はさらに上品と言われ、から揚げが特に地元民に好まれた食べ方です。

オダエビ

カット旬:春〜初夏(3月〜6月)
中海から大橋川、そして宍道湖で挙がるオダエビは全長1.5cmほどというアミエビの一種。主にその水域に生息する魚たちのエサとなるものの、そのものとしての味も地元民にはファンが多く、料理はハリショウガを加えて甘辛く煮付けるか、佃煮が定番とされています。

クロメバル

カット旬:冬〜春(12月〜2月)
頭にトゲが多く、体色は光沢のない黒っぽい色で、目の斜め下に2本の黒線があることから「クロ」という冠が付けられています。大きい時は全長50cmにもなり、その性格はどう猛。しかしその味はとても繊細、上品なことから2007年春に開催された「宍道湖VS中海 七珍対決」の際の中海代表としてこの食材が選ばれたほど。煮付けにすると柔らかい身がさらに際立ちます。

エノハ

旬:夏〜秋(7月〜10月)
カット葉の形に似ていることから一般的に「ヒイラギ」と呼ばれるこの魚。7cm前後と小型ながら、煮付けにすると身離れもよく食べやすいのが特徴で、島根県では、ぬめりを落としてお吸い物に仕立てることもあるそう。高知県では「にろぎ」、福岡県では「とんぼ」とも呼ばれています。


中海七珍が味わえる店
中海七珍選定委員会認定「中海七珍の店」
由志園
所在地:島根県松江市八束町波入1260-2 TEL:0852-76-2255

割烹・味処 ことぶき
所在地:鳥取県境港市相生町127 TEL:0859-42-2017


PDFデータダウンロード
宍道湖七珍はこちら 中海はこちら
PDFファイルを閲覧するにはアドビ・システムズ社の無料配布ソフト
Adobe Readerが必要となります。
以下のサイトよりダウンロードできます。

http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep.html



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