宍道の女夫岩(しんじのめおといわ)
◆ミステリアス総合評価 ★★★
神秘性 | ★★★★ |
歴史性 | ★★★ |
畏怖性 | ★★★ |
癒し性 | ★★★ |
アプローチ難易性 | ★★★ |
◆ REPORT
松江市街から宍道町方面へ中国横断自動車道を通るとトンネルの上に「女夫岩遺跡」という看板が見える。車で通るたびに何があるのだろう? と思っていた。その謎が解けた。
「めおと岩」と名が付く岩は全国どこでもよく耳にする。現に同市美保関町にも「男女岩」と書いて「めおといわ」という岩が海面に突き出ている。宍道町にある女夫岩は大きな二つの岩がむつまじく寄り添っていることから、その名が付いたと思われる。
ハチやマムシ・・・そんなものは全然恐くない!クマも出るなら出てこい!と、思わず気持ちも大きくなる。自然の偉大さに比べれば、そんなことは小さなこと。山の中、森の木々、巨岩・・・底知れないそれらの自然、その象徴たる「女夫岩」から発せられる強い「気」を全身に浴びた。
「めおと岩」と名が付く岩は全国どこでもよく耳にする。現に同市美保関町にも「男女岩」と書いて「めおといわ」という岩が海面に突き出ている。宍道町にある女夫岩は大きな二つの岩がむつまじく寄り添っていることから、その名が付いたと思われる。
〜古代の神体を探しに〜
女夫岩遺跡を探してたどり着いたのが家畜市場であった。牛などが売り買いされている場所だが、本当にこんなところに遺跡があるのだろうか? 車一台しか通れない家畜市場の道を行くと「出雲国風土記登場地 女夫岩」の案内看板が見えた。「風土記」と聞くと古いもの!と反射的に思ってしまう。正しくその通りで「約1500年前の信仰の対象」とも書かれてあった。古墳時代中期から後期(5〜7世紀)の祭祀に使われたと思われる土器片がそこで見つかってもいる。また遺物は近代のものもあり、古代から近代までずっとここで祭祀をしていたと推測される。神社でいう「御神体」と同じものだろう。ワクワクしてきて早く女夫岩が見たくなった。しかし、赤字で注意書きしてある看板が目に入る・・・「ハチやマムシ等ご注意ください」・・・。〜自然と人が共存していた世界へ〜
クマなら勝ち目はないが、ハチやマムシならなんとかなる!と変に自分を納得させて目標物を目指す。今まで体験したミステリアススポットは(1)山の中にある (2)とにかく階段を登る(山登りする) (3)人気がない所・・・である。まさしくここも三拍子揃った場所だ。道路は家畜市場のおかげで舗装されていて、1997年に県の指定史跡に指定されたからか、山道は登りやすく階段になっていた。古代のままの獣道でないのはある意味、少し淋しいが、身の安全を考えるとありがたい。階段を登りきると下りの階段がある。そこを下りると頭上に見えたものは岩というより「山」と言ったほうがよい位の巨大な塊。二つを合わせると左右20m、高さは5m程もあるだろうか。その大きな岩の間や横から、それを守るように木々が生えている。人々は寄り添う二つの巨岩に女と男を重ね、生命の神秘とその永遠なる継続を祈ったに違いない。周囲にはその岩を讃えるかのように石垣が作られていて、永くこの岩を崇め拝んできた様子が伺える。人が想像して作り出した神ではなく自然そのもの、厳然たるその存在の神秘を前にひれ伏し、崇拝していた古代人の思いを感じた。人間も自然の一部なのだと改めて思い知らされた。ハチやマムシ・・・そんなものは全然恐くない!クマも出るなら出てこい!と、思わず気持ちも大きくなる。自然の偉大さに比べれば、そんなことは小さなこと。山の中、森の木々、巨岩・・・底知れないそれらの自然、その象徴たる「女夫岩」から発せられる強い「気」を全身に浴びた。
お問い合わせ先 | 女夫岩遺跡 0852-66-9122 |
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所在地 | 松江市宍道町白石3313-1 |
アクセス | JR宍道駅から徒歩20分 全国農業協同組合連合会島根県本部家畜市場駐在内にある周道付近の中国横断自動車道よりの山の中 |
ホームページ | http://www.pref.shimane.jp/section/bunkazai/about-shiseki/shiseki06.html |
巨岩と樹木に魂が宿った御神体から、言いしれぬパワーが。