
聞いて“おいしい”山陰・そば噺
「釜揚げそば」と「かけそば」
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寒さが身にしみる季節となりました。こんなときお店に入ると、思わず温かいそばを注文したくなります。温かいそばのメニューである出雲地方独特の「釜揚げそば」と一般的な「かけそば」の違いを説明します。「釜揚げそば」はそばを釜で茹で、そのまま釜湯と一緒に器に盛り付けます。あらかじめ温めておいただしを少し器に入れてから器に盛り付けるお店もあります。また、だしはお客さんが好みの濃さで食べてもらえるようにだし入れが付いてきます。冷たいだしを熱いそばにかけるとそのときに醤油のつんとした香りが鼻につくことがあり、それを嫌うお店は温めただしを用意してくれています。 それに対して「かけそば」は茹でたそばを一度水で洗い、絞めてから再度釜で温め、鍋で温めたかけそば用のだし汁(つけ汁より薄い味)と一緒に器に盛ります。一度水で絞めたそばはぬめりがなく、つるつると食べやすいそばとなります。また、最後までそばが軟らかくなりにくいのが特徴です。もともと江戸時代初期は汁につけて食べるものでした。元禄(1688〜1704年)の頃からか、これを面倒くさがる男たちがそばに汁をかけて食べるようになったといいます。「ぶっかけそば(かけそば)」と称して食べられていたようです。寒い季節 になるとそばを温め、熱い汁をかけて出しました。これなら器一つですむということで重宝がられ、一般にも大いに広まりました。 出雲地方でも温かいそばはすべて釜揚げという訳ではありません。種物(天ぷらそば、鴨南蛮等)についてはそばがだんご状態になるのを嫌い、かけそば風に調理してお客様に提供します。 種物にはかけそばの調理方法が適しています。 どちらが好みかは、そばの質、そば切りの太さによっても異なると思いますが、「そば好き」は釜揚げそばを好み、「めん好き」はかけそばを好む傾向にあると分析しています。 釜揚げそばはとても奥深いものです。釜湯の状態で味が変わります。また、茹で加減が難しく、食べ始めと終わりではそばの硬さが異なるため器に盛り付けるタイミングに気を使います。冷たいそばよりも少し早めに釜から取り出したほうが良いと思います。私は釜湯がすこし白濁したぐらいでゆでた釜揚げそばが好きです。味と香りがより楽しめるからです。食べ終えるころ軟らかくなっても、そのころの麺はそば汁を吸って旨みが増しています。しっかりと打ったそばはべちゃべちゃになったりしません。やはり出雲そばとしては釜揚げそばに軍配が上がるのでしょう。
釜揚げそば だしは好みでかける
釜揚げそば だしをあらかじめ少し入れてある(好みでつぎ足す) かけそば つるつると食べやい
かけそば(ぶっ掛け) 混ぜて食べると美味しい
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