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華蔵寺の不動明王(けぞうじのふどうみょうおう)
行きは恐いが帰りは爽快。枕木山頂にある摩訶不思議な世界には、決して一人で来るべからず!!
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◆ミステリアス総合評価 ★★★

神秘性★★★

歴史性★★★

畏怖性★★★★

癒し性★★

アプローチ難易性★★★


◆ REPORT

華蔵寺は枕木山(456m)の山頂にある。「山頂からの夜景が綺麗だからデートスポットなんだよ」と話には聞いていたが、取材とはいえ、まさか日中に一人で行こうとは・・・。


華蔵寺は約1200年前に天台宗の僧、智元上人が開基したと言われている。その後、戦国時代に尼子、毛利の兵火に遭い焼失した。しかし1601年、堀尾吉晴による松江築城にあたり、枕木山が城の鬼門となることから、祈願所となり復興する。


〜これこそ修行僧の参道なり〜
案内標識をたどりながら枕木山頂を目指す。松江市本庄町ののどかな田園風景、古民家の佇まい、そして中腹からの中海の眺めはドライブを一層楽しくする。しかし急な斜面やくねった道が続き、落石であろうか、道路わきには石がゴロゴロ。山崩れも何カ所かあり・・・本当にこの道はお寺に続く参道なのか?とだんだん不安になっていく。道を間違えたのかも、引き返そうか?!そう思っていたら、門前蕎麦屋があり華蔵寺の看板が見え、やっと一息ついた。


しかし、この山道(参道)を昔の人は歩いて登ったのかと思うと頭が下がる。路肩に車を停め、華蔵寺探すが目の前に見えるのは長い階段だけ。ここまで気楽に車で来たにもかかわらず、この石段の多さに目眩がした。昔の人に二度頭が下がる思いだ。ここは踏ん張りどころだと、石段を一歩一歩踏みしめて登ることにした。


〜石の不動明王鎮座〜
一歩一歩、息せき切って石段を登る。鬱蒼とした森の中、また標高が高いこともあり空気が冷たく感じた。石段を登りきると仁王門が見える。松平直政が運慶に作らせたといわれる門の左右の金剛力士像の眼力に、思わず立ちすくむ。祭礼の時には二歳児成長祈願「仁王像またくぐり」が行われるというが、またをくぐる子どもの心に、仁王様は何と映ることだろう。きっとそんな幼少の頃の記憶が、人にとって大切な何かを形づくるのだろう。


山肌からの湿気に満ちた、昼なお暗い仁王門からの山道を行くと、やがて山崖左手に、見所のひとつである「石の不動明王」が座っていた。見上げるほど高い所にあり、しかも大きい。ずいぶん風化しているがどっしりとした姿、強面の顔は見れば見るほど不気味で身震いするが、今もなおこの山、この寺を守っているたのもしい守護神のようにも思えた。


次は「杉井の霊水」へ着く。亀山天皇(1260〜1273)が病気の折に、霊水と御霊符を謙譲したら病が治ったとか。そのことから天台宗であったこの寺は臨済宗南禅寺の格別寺院になり、皇室のバックアップもあり戦国時代に焼失するまで栄えていたようだ。


〜デートスポットの理由〜
やっと華蔵寺境内にたどり着く。本堂の外観はいたってシンプルで、修行道場だけあって飾り気がない。安置されている薬師如来は国の重要文化財で、大名茶人として名高い松平不昧公お抱えの名工、西の左甚五郎とも称される小林如泥の地蔵堂やすかし彫りなどもあり、松江藩が厚く外護していたことが伺える。


そしてもう一つの見所は「展望台」だ。そこからの中海、大根島、そして鳥取、島根両県が見渡せる絶景は道中の疲れを忘れさせた。いつまでも眺めていたいという気持ちと同時に、ぜひ夜景も見てみたい!そう思わせるに十二分の大パノラマである。

しかし、夜は一人では恐くて来られない場所だ。不安な山道も長い石段も二人で登れば恐くないし疲れないかもしれない・・・、中海の景色も一人で見るにはもったいない。やはりここは一人で来るところではなく、カップルが寄り添って訪れる隠れデートスポットだと、妙に得心した。


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