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金屋子神社(かなやごじんじゃ)
製鉄と鍛冶の技術神は、死を好む!?金屋子神社に伝わる神話に隠された謎と秘伝の技法。
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◆ミステリアス総合評価 ★★★

神秘性★★★★

歴史性★★★★

畏怖性★★★★

癒し性★★

アプローチ難易性★★★


◆ REPORT

テレビ番組のドラマ「華麗なる・・」が高視聴率らしい。主演のキムタクが演じるのは昭和40年代の製鉄マンだが、いわば昔の製鉄マンといえるのが優秀な玉鋼をつくった「たたら師」。たたらの発達した地域には、金屋子というあまり聞いたことのない名前の神様が祀られている。

出雲にある金屋子神社は、全国1200社を数える金屋子神社の総本山。春秋の大祭には、たたらの職人をはじめ、製鉄に関わる様々な人たちが数多く参拝している。



総ケヤキ造りの本殿と拝殿、そして石造りでは日本一といわれる鳥居を持つ金屋子神社。その存在感は荘厳ながら、どこか他の神社にはない異質な感じを持っている。閑散な自然に囲まれているからだろうか。六感に、ひんやりとしたものを感じるのだ。まるで玉鋼を精錬し、磨き上げて作られる刃物を連想してしまう。

大体にして、製鉄マンの神社というマニアックな神社。そこに伝わる神話も、かなり奥が深い。



大昔のある年の夏のこと。日照りで困っていた播磨(はりま)の国に、恵みの雨を降らした神様がいた。この神が「わたしは金山彦天目一個神という金屋子の神です。これから遠く西の方へ行き、そこで鉄を吹き、道具を作ることを多くの人に教えなければなりません」と語り、白鷺に乗り天高く飛び立った。たどりついたのは出雲の国、西比田黒田の森の「桂の木」。どうりで、金屋子神社の周辺には立派な桂の古木が多いはずだ。

さて、たたらの高殿の建設を指揮したのは、なんと75人の子どもの神々。75種類の道具を作り、土地を整備したり、杉の木を伐って「ふいご」を作ったりしたという。高殿とは、「華麗なる・・」で言えば高炉のこと。この高殿には6本の大きな柱が建てられ、金屋子神、木の神、日の神、月の神が東西南北の方向を守護した。

ある年の冬。「村下(むらげ)」と呼ばれる技術長が麻に足をとられ、転んで死んでしまった。金屋子神は「村下の死骸を高殿の柱にくくりつけて鉄を吹くのです」と教えた。神の言われるままにすると、これまでにない良い鉄を作ることができたと伝わる。



金屋子神は秘伝の製鉄技術を教え、繁栄をもたらした。その反面、「死のけがれ」を好む神様でもあるのだ。あのひんやりとした感覚、あれはもしかして火柱となった村下たちの霊魂・・・・。

豊かな自然に囲まれた出雲地方には、じつに様々な歴史や特有の神話が残されている。


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