足立美術館(日本庭園)
足立美術館は、安来市出身の実業家・足立全康氏によって昭和45年に開館。日本画の巨匠・横山大観をはじめ、竹内栖鳳、川合玉堂、上村松園、橋本関雪、榊原紫峰などの近代日本画と、料理人としても名を馳せた北大路魯山人の陶芸、林義雄、武井武雄らの童画や、現代日本画を展示するとともに、約5万坪の日本庭園を堪能できる美術館です。
近代日本画壇の礎を作り上げた横山大観に注ぐ足立全康の情熱は人並みはずれ、数々の逸話が残るほど。大観の作品は約120点と、質量ともに日本有数のコレクションを誇ります。横山大観特別展示室では、常時約20点を展示しており、大観の初期から晩年にいたる作品を鑑賞することができます。
足立美術館の庭園は、米国の日本庭園専門誌「数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の日本庭園ランキングで、連続第1位に選出されています。「苔庭」、「枯山水庭」、「池庭」、「白砂青松庭」と歩みを進めるたび広がる閑雅な風情は、館内の日本画とあいまって訪れる方の心を静かに癒します。特に、足立美術館の主庭である「枯山水庭」は、背景の山々を借景とし、自然との調和が美しくご覧いただけます。また、「白砂青松庭」は横山大観の名作『白沙青松』をイメージした庭園で、白砂と松のコントラストが印象的。館内の窓枠を額縁に見立てた「生の額絵」は、自然による生きた絵画のように庭園を鑑賞できる、同館の見どころのひとつです。
所蔵作品は、庭園の四季の変化に合わせて順次紹介しています。魅力にあふれる作品の数々を鑑賞できる足立美術館で、安らぎという贅沢な時間を心ゆくまでお楽しみください。