鬱蒼と茂る杉林を登ると瑞光山の山腹に「清水寺」はあります。
用明天皇二年、尊隆上人により開基され、盛時には伽藍四十八坊を有し山陰一の天台宗の大霊場として有名に。しかし、永禄天正の間、尼子・毛利の戦火にあい、わずか内院を残して烏有に帰しました。
5万坪の境内には、この兵火をまぬがれた建物の一つ「本堂」をはじめ、県や国の重要文化財も数多く、荘厳な空気に包まれており、厄払いの祈祷を主とするお寺として多くの参拝客が訪れています。
和の雅な風情に包まれる境内は、特に約100本のソメイヨシノが咲き乱れる「春」、そして境内が真紅に染まる「秋」が圧巻。
この日本ならではの伝統美を求め、見頃ともなると多くの花見客がこの場所に足を運びます。
また境内の参道沿いにある旅館では、寺坊伝統の肉、魚を一切使わないヘルシーな精進料理も名物。
仏教の「不殺生」の思想から、肉や魚を食べることを禁ずる精進料理が生まれ、その原則を守り、古くから伝えられた調理法に現代の感覚を加え、会席料理と見紛うばかりの献立で提供するところにこの料理の特徴があります。
当時の僧坊を思いながら、しばしこの芸術とも言うべき皿に舌鼓を打ってみてください。