733年編さんの『出雲国風土記』に記され、日本最古の湯の一つに数えられている玉造温泉。当時からその効能は評判で、浸かれば肌のツヤがよくなりどんな病気も治ると、人々からは「神の湯」と呼ばれていたそうです。
この「玉造温泉ゆ〜ゆ」は、そんな美人湯が湧く玉造温泉街のほぼ中央に位置しています。玉湯川沿いに温泉旅館が軒を連ねる中、唯一の日帰り温泉施設で、気軽に玉造の湯を堪能できる施設として、観光客はもちろん地元民にも大変親しまれています。
「玉造」の名前からも分かるとおり、このエリアは古代から、近くの花仙山から産出される良質の青メノウや赤・白のメノウを使った玉作りが非常に盛んでした。弥生時代や古墳時代の遺跡が数多く発見されていて、すぐそばの「出雲玉作史跡公園」や「出雲玉作資料館」では近隣で発掘された勾玉(まがたま)や管玉(くだたま)、加工に使用した道具、工房跡など、玉作りに関する貴重な遺物が展示されています。
ココ「ゆ〜ゆ」の建物は、玉作りの「玉」がイメージされた、三角形と半球体を組み合わせた斬新なスタイル。島根県出身の建築家・高松伸氏の設計で、エントランスホールの屋根には太陽光発電システムが取り付けられているというエコな仕組みも。館内には発電量を示す表示板が設置されていて、ひと目見て現在の発電量が分かるようになっています。
建物上部にある半球体の部分が5階の「大浴場」です。大きな窓ガラスから陽光が差し込む明るい湯船は、やはり勾玉の形で、どっぷりと浸かれば勾玉の神秘的なパワーでお肌がピチピチになりそう。窓ガラスの向こう側は露天風呂になっており、深さが約1mほどある立ち湯、打たせ湯、サウナなどもある、開放的なリラックス空間が広がっています。
通常は10時〜22時の営業ですが、毎週日曜の朝5時〜7時30分にうれしい朝風呂営業が。朝イチに浸かる温泉の気持ちよさは格別。朝風呂派にオススメです。日曜のほか、盆・正月・ゴールデンウイークにもやっているので、営業日をチェックして朝の「ゆ〜ゆ」を訪れてみてください。
3階、4階はコンベンションスペース。4階には休憩室があり、入浴後はマッサージコーナーもあるここでのんびりと過ごすことができます。3階には会議室があり、さまざまな用途で使用可能。2フロアを使った「コンベンションホール」は200人を収容できる広さで、200インチの大スクリーンを備えています。講演会や試写会はもちろん、音楽イベントに利用されている所ですが、毎晩8時30分からのお楽しみは「安来節ショー」(300円)。湯上がりのひと休みには最高で、コミカルな動きの「どじょうすくい踊り」に会場は大爆笑の渦。また、観客自らがステージに上がってどじょうすくい踊りに挑戦する場面も。ショーのボルテージはこのとき最高潮に達します。お腹をかかえて笑えば気分爽快です。お帰りの際は、1階の売店でお土産物もどうぞ。