素盞鳴尊(すさのおのみこと)を主祭神とし、火の発祥の神社として知られる出雲国一宮の「熊野大社」から南へ100mほど進むと、「八雲ふるさと館」が見えてきます。意宇川によって豊かに育まれてきた田園地帯に建つ、昔の学校を再現した懐かしい造りの館は、交流室と食工房を備えた体験交流施設として平成15年(2003年)5月にオープンしました。
季節に応じて農作業や自然散策、昔遊びなど、「ふるさと」をテーマにしたさまざまな体験交流が行われていますが、コチラでのメインはなんといっても「そば打ち体験」。戦前の教科書や勉強机が並ぶ教室で打ち方を指導してくれるのは、熊野地区のそば愛好家たち。そばの豊かな香りが漂う中、見よう見まねでそば打ち開始。慣れない作業に苦労しつつも丹精込めて打った麺を、今度は包丁でトントン。多少太さが違っていてもそこはご愛嬌、麺を湯がいて出来上がりです。打ちたて・茹でたての手打ちそばは、きっとどこの店にも負けない美味しさのはず。体験のラストは、教室の席に着いての試食タイム。窓の外に広がるのどかな田園風景を眺めながら素朴な味のそばをすすっていると、古きよき時代が思い起こされ、郷愁があふれてきます。