平成16年(2004年)にオープンした「来待焼 だんだん工房」は、来待粘土を使ってお地蔵様などの置物や器を作る体験をしたり、作品を展示・販売している工房。
宍道町の来待地区は、約1400万年前に形成されたといわれている凝灰質砂岩、いわゆる「来待石」が多く産出される所。来待石は軟らかく、切り出しや加工をしやすいのが特徴で、日本庭園などでよく見かける石灯籠づくりには欠かせない材料。ゆえに、ここで生産される石灯籠は「出雲石灯籠」として地場産業に発展、国指定の伝統工芸品となっているのです。この来待石を採掘・加工する段階で大量の粉が出るのですが、この粉を集めて水を加え機械で練り上げたのが「来待粘土」。そして、来待粘土を使って器や置物などを形作り、窯焼きしたものが「来待焼」です。
工房内には、講師や生徒たちが作成したさまざまな来待焼がズラリ。出来上がった作品に草花が植え付けられていて、自然味あふれるディスプレーに心が癒されます。
体験コーナーは全部で3コースで、所要時間はそれぞれ2時間ほど。来待粘土でオリジナルの作品を作る「粘土体験」では、先生の見本を参考にお地蔵様やタヌキ、ウサギといったかわいい置物づくりにチャレンジすることができます。子どものころにやった粘土遊びを思い出しながらコネコネ。不器用ながらも懸命に作り上げた作品には愛着が湧きます。完成した作品は窯で焼き上げられ、1週間ほどで手元に届くとか。通常の陶芸よりも仕上がりが早いのがうれしいところ。
「石堀体験」は、通常よりも粒子の荒い粘土を固めて乾燥させた石を、彫刻刀やアイスピック等でいろいろな形に彫っていきます。出来上がりを想像しながらコツコツ彫っていると、気分はすっかり“彫刻家”。めったにできない体験だけに夢中になってしまいそうです。
もう一つの体験は、2つの制作体験で完成した作品に山野草や苔等を植込んでいく「植込講習」。赤茶色に焼き上がった作品に緑が加わると、まるで自分だけの庭のよう。夢のある作品に仕上がります。
工房では、「もっとやりたい」と来待焼にハマッちゃった人のために不定期の教室も開催。次々とオリジナリティーあふれる作品に挑戦してみてください。