松江しんじ湖温泉街前、宍道湖北岸沿いにある湖畔公園。宍道湖全体を見渡すことのできる絶好のポイントで、青い芝生と松が憩いの場を風情あるものに演出しています。松江を訪れた際に詠んだという山口誓子(せいし)の句碑や、生田春月が詠った「白魚(しらを)とり」の詩碑、明治の文豪・小泉八雲が書いた『怪談』の一番最初に登場する短編「耳なし芳一」の像といった文学碑が建立されており、宍道湖の情景が昔の文人たちからも愛されていたことを物語っています。中でも、1年3カ月を松江で過ごした小泉八雲は、人力車を走らせて見に出かけるほど宍道湖の夕日を好んでいたそうです。
湖畔の情景は今も変わらず、この公園では、朝もやの中シジミを捕る小舟の姿、さざ波と戯れる水鳥、湖面をオレンジに染める夕日といった宍道湖ならではの美景を堪能することができます。温泉街から近いこともあり、多くの観光客や市民たちが散策や写真撮影、ジョギング、釣りなどを楽しむ寛ぎの広場です。公園内の遊歩道を歩きながら、文人たちも見た“水の都 松江”の情緒に親しんでみてください。