色濃い深緑と若々しい草木の香りを感じる、梅雨入り前後のこのシーズン。
山陰では、豊かな大自然が残る山懐で、また川面で、田畑で、美しい蛍(ホタル)のショーが観賞できます。
この光、蛍(ホタル)が生殖活動の際、お相手探しのため発光する、いわば目印のようなもの。ということは、ホタルにとってはまさにラブロマンスの真っ只中。わずか約2週間という限られた命のなかで育まれる儚い恋の物語というワケなんです。何だかロマンチックですね。
夜空に舞う満天の星空にも負けない輝きを放つホタルのステージ。
情緒たっぷりの初夏の風物詩、幻想的なホタル狩りへと今年はお出かけしてみませんか?
小さなホタルたちが、みなさんを夢の世界へと誘ってくれるハズですから・・・
澄んだ空気、豊かな緑、そして美しい水・・・。
こんな条件が揃ってこそ見ることのできる蛍(ホタル)は、恵まれた自然にのみもたらされる魅惑の夏景色。そんな風景を各所で見ることのできる山陰は、まさに大自然の宝庫だということを改めて実感させてくれます。
この感動こそ、わが山陰の誇りなのかもしれませんね。
夜の帳に柔らかい灯りが、ポッ、ポッと幻想的に浮かんでは、フワフワと漂い、そして儚く消えていく。まるで、自分たちの儚い生命を精一杯主張するかのように・・・ そんなホタルの光は、田舎ならではの町並みに根付く懐かしい日本の原風景。郷愁を誘うロケーションが、ホッと心を落ち着かせてくれます。
しかししかし、今、そのポイントも徐々に減りつつあるのが現状。
貴重となったホタルの里も、地元の方々の熱い思い、ひたむきなサポートによって守られていることを再認識しなければなりません。
ココ山陰に与えられた大自然の恩恵・ホタル。私たち地元の人間にとって、そのための環境作り、自然保護に取り組む姿勢はとっても大切。この小さな夢の伝道師たちが、また安心して、来年も美しい輝きを放てるよう・・・
南部町の山あいに流れる「金田川」。金田公民館奥に続く川沿いには現在たくさんのホタルが生息。しかし、このほたるの里も、一時はホタルがいなくなってしまったことがあるそうです。このほたるの里を復活させよう立ち上がったのが地元の地域住民。地道な活動が実ってか徐々にホタルが舞い戻り、今ではこの地域屈指の名所として話題を集めるほど、毎年ホタル達が乱舞しています。
詳しい情報は
コチラ大野池湖畔に佇むスイスシャレー風のリゾートホテル。こちらでは、ホテルより送迎車を使い、大山山麓の漆黒の森に囲まれた小川に乱舞する秘密のホタルポイントへ。ロマンチックな約30分の鑑賞ツアーを含む宿泊プラン、ディナーコースを提供予定。
詳しい情報は
コチラ清流として名高い日野川を抱える日野町はまさに「ホタルの町」。各所にポイントが点在しています。特に緑深い舟場地区、そしておしどり観察小屋付近は、シーズンともなれば艶やかなホタルのショーを見学可。
詳しくは
日野町役場のホームページor電話にてお問い合わせください。
法勝寺城山公園から緑水湖に至る法勝寺川沿いに位置する鴨部地区も実は隠れたホタルの名所であることを発見。支流も含めた各ポイントでたくさんのホタルが乱舞しています。
詳しい場所等の情報は
南部町ホームページで。
平成14年4月20日に開村した「東出雲おちらと村」は、元気高齢者の生きがいと健康づくりのために誕生したユートピア。すぐ近くの意東川沿いには、美しいホタルが乱舞。この時期に合わせ、こちらの施設では、6/14(土)に「東出雲おちらと村 ほたる&しょうぶ祭り」を開催。
詳しい情報は
コチラ旧大東町(現雲南市)により制定された「大東町ほたる保護条例」により復活したほたるの里。河川改修が行われ、草刈りや泥の除去などの衛生管理まで、保存会による地道な活動がほたるの生存を支えています。
詳しい情報は
コチラ16年前から地域住民により河川浄化にあわせ自然増殖場を設け、「ほたるの里」づくりを目指している上吉田町。6/12(木)〜6/16(月)には「吉田ほたる祭り」を開催。祭り開催期間中は、吉田交流センターのほたる観賞地案内スタッフがみなさんをご案内。特に6/14(土)19:00〜は、そうめん流しや屋台などのイベントも盛りだくさんです。
詳しい情報は
コチラ熊野大社で有名な松江市八雲町。町内を流れる意宇川、またその支流の川(東岩坂川など)では、この時期ともなると各流域でホタルが飛び始めます。
ホタルの種類って?
ホタルは世界中に2000種以上が生息すると言われています。日本で見られるのは、そのうちのわずか46種類。川辺にいるゲンジボタルが特に有名ですが、そのほかでは、田んぼや川に生息するヘイケホタル、森や林にいるヒメホタルなどが一般的にもよく知られていますね。
ちなみに発光器はお腹部分に備えているんですよ。
ホタルはどうやって育つの?
水辺のこけの上で卵がふ化し、水中へ。その後の成長に欠かせないエサが、カワニナという稚貝なんです。この貝を食べ、上陸、また土の中でふ化。脱皮を繰り返して羽が固まると地上へと羽ばたいていきます。
ホタルの見ごろはいつですか?
5月末から徐々に出回りはじめ、7月の上旬頃までが見ごろ。標高や気候、気温の違いによって、ピークは各場所に様々ですが、山陰の場合、6月中旬が一番数が多く飛び回るのではないでしょうか。ちなみに金田川ほたるの里は、6月10日頃にピークを迎えます。
ホタルってなぜ光るの?
オスはメスへの求愛行為のため、お腹に備えた発光器にある5種類の物質と空気中から取り入れた酸素で酸化反応を起こし、暗闇のなかで発光するんです。光を放つのは、星が見え始める日暮れからで、風のない気温の高い日に特によく飛び回ります。ちなみに、日中太陽が昇っている時間帯は、夜の活動に備え、気持ちよくお昼寝しているんですよ。
関西と関東のホタルで光り方が違うってホント?
本当です。理由は定かではありませんが、関東は4秒間隔に1回、関西は2秒間隔に1回光ります。これも、せっかちな関西ならではなのかもしれませんね(笑)
ほかホタルの七不思議ってありますか?
ありますよ。ホタルの発光体は、体から離れても発光する、成虫になると水しか飲まない、卵のときも、サナギのときも、薄らと光っている、ホタルは400〜800個の卵を産む・・・。こんなところでしょうか。
ホタルの保存活動は大変では?
そうですね。全員がボランティアで活動してますから。でも町内の小学生が道しるべのための竹筒提灯を作ってくれたり、東京の自然保護団体から廃油ロウソクを寄付頂いたりと、いろんな方々の支えがあるのも事実。そんな想いをホタルもわかってくれているからこそ、毎年こうして戻ってきてくれるんでしょうね。私はそう信じたいです。だから、みなさんにはホタルの観賞だけでなく、人間とホタルの共存、こんな取り組みのことも知ってもらえるとうれしいです。
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